秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「一柳さん」


急いで一柳さんの傍に向かう。


「お待ちしておりました」


一柳さんは笑顔は見せているものの、その顔には疲れが滲んでいた。


「行きましょうか。愛人様もお待ちですよ」


「はい」


タクシーに乗って、愛人の入院してる病院に向かう。


「あの、マー君の様子は?」


タクシーの中で、愛人の様子を聞く。


「まだお目覚めになる兆しはありません」


「そうですか」


タクシーの中に流れる、痛いくらいの沈黙。


その沈黙を破ったのは私。


「おば様は?」


「奥様もずっと愛人様についていますが、やはりお疲れのようです」