秘密な花嫁~旦那様は同い年~

パパが何かを考えるように目を閉じ、そんなパパの様子をママは心配そうな顔をして見つめていた。


「美結」


「はい」


しばらくして目を開いたパパが、私と向き合う。


「パパもママも、アメリカには一緒に行ってやれない。一人で行けるか?」


「いいの?」


パパからママに視線を移すと、ママは優しく笑っていた。


「いってきなさい、美結。愛人君に会ってきて」


「ママ・・・」


「大切な人が大変なときは、傍にいてあげなきゃ。ねっ、龍矢」


「ああ」


パパがママの肩をそっと抱く。


ママは本当に幸せそうな顔をして、パパの肩に頭を預けた。


「でも美結、ひとつだけ約束な」


「約束?」