秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「美結」


『美結様』


隣のママと電話越しに一柳さんに呼びかけられて、遠くなりそうになる意識を何とか引き戻す。


ギュッと目を瞑り、ハーと息を吐き出した。


「それで、マー君は?」


『いつ、意識が戻るのか分からない状態です』


今度こそ本当に、身体がフラッと倒れるのを感じた。


「美結!」


ママが慌てて私を支えてくれる。


「美結、大丈夫?」


心配そうなママの顔が、私を覗きこんでくる。


なにも答えない私から電話を取ると、ママがゆっくりと耳に電話を当てた。


反対側の手で、しっかりと私を抱きしめながら。


「もしもし?・・・はい。・・・そうですか」


ママの声を微かに聞きながら、私はゆっくりと目を閉じた。