「そっか」


大好きな人の傍にいると、自然に落ち着けるもんね。


「私もママのこと大好き」


「ありがと、美結」


おでこ同士をコツンとぶつけ合って笑っていると、不意に電話の音が鳴り響いた。


その音に、ビクッと身体が揺れる。


「ママ・・・」


思わずママの洋服の袖を、ギュッと握ってしまった。


「大丈夫よ、美結。出てみて」


「うん」


ママに促されて、電話の通話ボタンを押した。


「もしもし?」


『一柳でございます』


電話の相手に、愛人の手術が終わったことを知った。


「一柳さん?」