秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「うん」


『一番に美結に電話する』


「ほんと?」


『ああ。だから、ちゃんと電話出て』


「うん。寝ててもちゃんと出るから。約束ね」


『分かった』


この小さな約束が、亜季ちゃんのことで沈んでいた私の気持ちを少しだけ明るくした。


『じゃあ俺、そろそろ行かないと』


「うん。またね、マー君」


『ああ。また電話するよ』


「うん」


お互いほぼ同時に、電話を切る。


これは、愛人と私の約束。


どちらかが電話を切るまで待ってると、また話し出してしまいそうだから、話し終わったらすぐに電話を切ろうって、最初の電話のときに約束した。