今だってママは、私の手をぎゅっと握ってる。


パパがチャイムを押すと、中からメイドさんが出て来た。


「お待ちしてました」


そのメイドさんに案内されて、中に入る。


家の大きさは家と同じくらいなのに、雰囲気が全然違う。


私の家は、温かい空気に包まれてる。


でもこの家は、どこか冷めた空気に包まれていた。


「いらっしゃいました」


広いリビングに連れていかれると、そこには4人の人がいた。


パパより10歳くらい年上だと思われる男の人。


ママより6・7歳上だと思われる女の人。


22・3歳の男の人。


そして、私の婚約者だと思われる一番若い男の子。


「お久しぶりです、福田さん」


パパがあいさつした。