でも茶道は続けるって、条件付きだったけど。


それでも沙奈は、すごく嬉しそうだった。


「マー君、今日は歩いてもいいかな?」


「ああ。笠原先生、来るころだけど」


二人でドアに目線を移したとき、トントンとドアが叩かれガラッと開いた。


「あのさ、まだ返事してないんだけど」


「ごめん、ごめん」


あはは~って笑って、笠原先生が病室に入ってくる。


「美結ちゃん、そうか。自由登校だったな」


「うん。大学も決まってるから」


「やることなしか」


「やることあるよ。毎日マー君に会いに来ること」


「そっか。マー君は幸せだな。毎日かわいい彼女が会いに来てくれて」


そう言って笠原先生は、聴診器を耳に入れた。


「先生にマー君って言われたくないし」