「なんか、美結にお姉さんぶられるのってしっくりこない」


「なんで~?私の方が誕生日先だし、お姉さんだよ?」


はあとわざとらしくため息をつくと、愛人は私の手を引いて歩き出した。


「あっ先生、いってきます」


後ろを振り向いて笠原先生に手を振ると、ニッコリ笑って手を振り返してくれた。


「ほんと、無防備だよな」


「えっ?なに?」


上手く聞こえなくて聞き返すと、なんでもないと言われて手にギュッと力を入れられる。


力を入れたといっても、私が痛がらない程度。


「マー君、今日はどこ行くの?」


「その辺」


散歩といっても、いつも歩くコースは決まっていない。


愛人の赴くまま、気のままに歩き続ける。


「青空だよ、マー君」


「ああ」