差し出された手を握って、外に出た。


手術に耐えられるだけの体力をつけるようにと言われた愛人は、毎日30分くらいの散歩を始めた。


もちろん散歩に行く前に、笠原先生の診察を受けるのだけど。


それで問題なかったら、外に出てよしってなる。


「おっ、今日も行くのか」


ナースステーションに散歩に行くと告げて廊下を歩いていると、ばったりと笠原先生に出会った。


「さっき行くって言ったじゃん?」


「そうだったなぁ」


愛人の言葉に、ハハハ~と笠原先生は笑う。


「美結ちゃんいつも大変だな」


「そんなことないです。マー君と外に行けるの、楽しいもん」


「そうかそうか。無理しないでな」


「その辺は私が見てるから大丈夫です」


そう言うと、愛人がシラーとした目を私に向けてくる。


「へぇ?なに?」