「マー君!」


病室のドアをガラッと開けると、愛人が笑顔で迎えてくれた。


「美結、今日寒い?」


「うん。風、ビュービューいってる」


「ふーん。じゃあ、厚着してこうかな」


そう言って愛人はベットから立ち上がった。


あの誕生日会の翌日、愛人は笠原先生に手術を受けることを告げた。


先生はそうかって笑顔を向けてくれたけど、すぐに真剣な顔になり、難しいことは覚悟してるな?と愛人に聞いた。


アメリカの専門病院で手術を受けても、成功率は30%。


それくらい、大変な病気。


それでも愛人は、真剣な目つきではいと答えた。


「でもマー君、今日は外出ていいって?」


「さっき笠原先生に診てもらったから、大丈夫」


「そっか」


「行こう、美結」