また愛人の口から死という言葉が出てきて、心臓がドキンと跳ね上がる。


「死んだら、青空の広がるところに行きたいって思ってた」


「死んだら・・・」


「今までの生きてきた俺の世界は、常にモノクロだった。だからせめて、死んだ後の世界くらい青空の下で生きたいって」


それが、愛人が青空が好きな理由?


なんだか、すごく悲しい理由。


「美結?」


思わず愛人のパジャマをギュッと握ると、どうした?と言って愛人が私を覗きこんできた。


「なんか・・・」


上手く言葉に出来ないでいると、愛人がポンポンと私の頭をなでる。


「美結が青空を好きな理由は?」


「元気になれるから。広くて大きくて、なんか嫌なこととか吹っ飛びそうでしょ?」


愛人の胸に顔を埋めたまま言うと、そうだなって答えと髪にキスが降ってくる。


「今日から俺も、その理由にする」


「ん?」