秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「知ってたの?」


「知ってたのって、美結も?」


愛人が少しだけびっくりした表情を見せる。


「前にね、誠さんに少しだけ聞いたの」


「そう。まだ小さかった頃、兄さんはよく宇宙とか星の本を読んでた。それを俺に聞かせてくれるんだ」


昔々の、愛人の思い出。


表情穏やかに、懐かしむように話してくれた。


「いつか宇宙に行くんだ~って、それが兄さんの口癖だった。でもいつの間にか、兄さんは会社を継ぐための勉強に追われてて」


「いつの間にか、夢を諦めてた?」


「ああ。昔の兄さんに戻って欲しくて」


「昔の誠さんって、どんな感じだったの?」


「優しくて、キラキラ輝いてた」


小さな頃の愛人には、誠さんはそんな風に映ってたんだろう。


キラキラ輝いてる、自慢の兄さんだって。