「マー君。もう寝た?」


「ん?まだ」


その夜、私は病院の許可を取り愛人の病室に泊まった。


愛人のベットの隣に簡易ベットを置いてもらい、眠ろうとしていたけど眠れなくて、愛人に話しかけた。


「一緒に寝てもいい?」


「いいよ。おいで」


布団をめくり上げて、私が入れるスペースを作ってくれた。


二人で入るにはベットは少し狭かったけど、それでも愛人を感じることが出来るから、そんなことちっとも気にならない。


「今日はありがとな、美結」


「うん」


ギュッと愛人に抱きしめられる。


「愛してるの日、あったでしょ?」


「ああ。母さんに抱きしめられたとき、なんか、すっと肩の力が抜けた感じがした」


「マー君」


「母さん、すごく温かかった」