秘密な花嫁~旦那様は同い年~

それからは、口数は決して多くはないものの、今まで愛人の家族では感じたことがないくらいの、静かで穏やかな空気が病室中に広がっていた。


「美結様、そろそろケーキをご用意しますか?」


料理のお皿がほとんど空になったころ、一柳さんがそっと私の耳元にささやいてきた。


「あっ・・・」


ケーキの存在、すっかり忘れてた。


昨日のうちにスポンジを焼き、今朝デコレーションしてきた。


それをこの時間まで一柳さんに預けておいたんだった。


「美結、どうした?」


急に椅子から立ち上がった私を見て、愛人が不思議そうな顔をする。


「えっと、私忘れてて・・・」


「何を?」


「ケーキ焼いてきたの。マー君の為に」


小さな声で言うと、愛人がニッコリ笑った。


「美結のケーキ、食べたい」


「ほんと?ヘンでも笑わないでね」