秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「母さん・・・」


今度ははっきり聞こえた。


固まってた愛人の身体から、徐々に徐々に力が抜けていく。


「でもね、あなたのこと愛してるの。ほんとは、ずっとずっと愛してたのよ」


「母さん・・・」


「ごめんね。愛人は何も悪くないのに、お母さんいつの間にか・・・」


「もういいよ」


愛人がおば様の話を遮った。


「もういい」


「愛人・・・」


おば様が愛人から身体を離す。


「もう、母さんの気持ちは分かった。俺を、生んでくれてありがとう」


それは、今まで見た愛人の表情の中で、一番穏やかなものだった。


「ありがとう、愛人」


しばらくの間、病室の中にはおば様の泣き声が静かに流れていた。