「無理して婚約する必要なんてなかったのに。この提携が上手くいかなくたって、会社は潰れないし」


「わかってるけど。私だって、何か役に立ちたかったの」


「ほんとバカだよ」


「なに?心配してくれるの?」


「違うし。バカって言いにきただけ」


そう言うと龍守は、自分の部屋に戻ってしまった。


「バカバカって、失礼なやつ」


確かに私はバカかもしれないよ。


自分から婚約するって言う人なんて、そうそういないと思うし。


でもしょうがないじゃん。


私は、パパもママも大好きだから。


二人が困ってるところなんて、見たくないんだもん。


家族が困ってるのを助けるのが、家族でしょ?


だから私は、この決断に後悔してないよ。


後悔はしない・・・