「ほんと?あと、オレンジとか柑橘系も好き」


「俺も」


「へへっ。一緒だね」


愛人と好きなものが一緒で、なんだか嬉しくなる。


「で?俺の好きな果物聞いて、どうするの?」


「んー別にどうしようってことじゃないけど・・・」


言葉に詰まった私に、愛人がふーんという表情をしてくる。


「美結、俺に何か隠してるでしょ?」


「へっ!?」


図星だったから、思わず声が裏返ってしまう。


「美結は顔に出るから、分かりやすい」


「そんなことないもん」


「言っちゃえば、美結さん」


意地悪な顔をして、私を覗きこんでくる。


「絶対言わない!」