「ねえ、マー君」


「なに?」


12月に入り寒さが一段と厳しくなったある日。


いつものように学校を終えた私は、愛人の病室を訪ねていた。


「マー君は、果物何が好き?」


「何急に?」


私の突然の質問に、愛人が目を丸くした。


「美結って、急に変なこと言うよね」


「そうかな?」


私は言いたいこと言ってるだけで、変なことを言ってる意識はないんだけど。


「で、何が好き?」


あくまで質問を続ける私に、愛人がフッと笑った。


「美結は何が好きなの?」


「私?私はね、苺と・・・」


「俺も好き」