「龍守」


その夜自分の家に帰った後、どうしても龍守と話しがしたくなって龍守の部屋を訪れた。


「なに?」


パタンとドアを閉めて、龍守のベットにバンっと飛び乗って寝っ転がった。


「あのね、人のベットぐしゃぐしゃにしないでくれる?」


勉強机から顔をあげて、龍守がイヤそうな顔をした。


「ねえ、龍守」


「なに?」


「龍守は、家の会社継ぐの?」


「俺じゃダメ?」


龍守はちょっとため息をつくと、クルッと椅子を回して身体ごと私の方を向いた。


「違うの。ただそれは、龍守の意志かなって思って」


「そうだよ。俺がやりたいって思ったから、父さんの跡を継ごうって思ったんじゃん」


「そっか。ならいい」


「そんなこと聞きに来たの?」