秘密な花嫁~旦那様は同い年~

ハッとしたように、誠さんは顔を上げた。


「ごめんなさい。生意気なこと言って」


「いや」


軽く笑みを向けると、誠さんはまたパソコンの画面に目を戻した。


「僕はね、夢を見てはいけなかったんだ。どうせ叶わないんだから」


「誠さんは、夢のこと誰かに話しましたか?」


「えっ?」


今度は驚いた表情で、誠さんはパソコンから顔を上げた。


「だって、もしかしたらおじ様もおば様も、応援してくれたかもしれないでしょ?はっきり言わないで一人で抱えて、それで夢が叶わないから愛人のせいにするなんて間違ってる」


「でも僕にはそれしかないんだ。愛人のせいにすることで、夢を諦めるしか」


誠さんはコーヒーの入ったカップを手に取り、口をつけることなくそれをジッと見つめた。


「君の家と、僕の家は違う。この家は、言うことすら許されないんだ」


「ふふ」


「なんで笑うの?」


真面目な話をしてたのに急に私が笑うから、誠さんは少し怪訝そうな顔をして私を見た。