秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「うちの会社の前期の売上表だよ」


コーヒーに口をつけながら、誠さんが教えてくれた。


「すごいですね。まだ学生なのに、もう会社の勉強してるんですか?」


「この家に生まれたら、進む道はもう決まってるからね。美結さんも、そう思ったことない?」


「私は特に。両親も、あまり継ぐとかそういう考えは持ってないみたいだから。やりたいならやればいい程度だと思います」


「そう」


誠さんはコーヒーをテーブルに置くと、マウスを動かした。


「君は、自由だね」


ボソッと誠さんが呟いた。


「誠さんは、自由じゃない?」


「そうだね。愛人が病気じゃなかったら、自由だったかもしれない」


ジッとパソコンの画面を見て動かなくなった誠さん。


「聞いてもいいですか?その先」


勇気を振り絞って出した声に誠さんは小さく笑顔を見せると、好きなところに座ってと私に促した。


テーブルから少し離れたベットに、ちょこんと座る。