嫌いって、言われたくないし言いたくないから、お互い約束を守ろう。


「でも、泣かないでいられるか?」


「頑張るもん。嫌いはイヤだから」


「そうだな。俺も言わないように気をつける」


しばらくなにも言わずに二人で太陽の光をいっぱい浴びて、病室に戻った。


「おかえりなさいませ、お二人とも。楽しかったですか?」


「はい。とっても」


「それはよかったです」


病室に入ると、一柳さんが笑顔で迎えてくれた。


しばらくして病室に入って来た笠原先生が愛人の様子を見て、問題ないと言って病室を出て行った。


「あっ・・・」


それからお昼を食べに外に出ていた私が病室に戻ると、愛人が本を片手にすやすやと気持ち良さそうに眠っていた。


「疲れちゃった?」


起こさないようにそっと本を取り、布団を掛け直す。


「おやすみ、愛人」