秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「俺だけに言っといて、自分はないの?」


「そんなことないもん」


ちょっと意地悪く言う愛人に、私は頬に残っていた涙を全て拭い去ると、ゆっくり深呼吸をしてこう告げた。


「私、もう泣かない。これが私の約束」


「美結」


泣かない、泣かないって決めて、何度泣いたんだろう。


だからせめて、愛人の前だけでも泣かないように。


「指切りして、マー君。私が泣かないように。それから、マー君がごめんって言わないように。約束しよう」


「ああ」


愛人の細い小指に、自分の小指を絡ませる。


「約束破ったらどうしようか?」


「そうだな」


愛人の肩に頭を乗せると、優しい手つきで髪をなでてくれた。


「一回約束破るごとに、嫌いって言うか?」


「うん。そうだね」