秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「美結、座って」


中央エントランス付近の長椅子に座らされて、隣に愛人も座った。


大きな窓からは冬にもかかわらず温かな日差しが降り込んで来て、なんだか心を落ち着かせる。


「ごめん、美結」


「マー君」


「無理に笑わせてごめん」


愛人はゆっくりと私を抱き寄せ、そのまま優しく抱きしめた。


「ふぇっ・・・」


愛人に包まれてる安心感と、降り注がれる温かさが重なって、無理して止めていた涙が一気に溢れ出た。


「ごめんな、美結。やっぱり俺、美結に辛い思いばかりさせてる」


苦しさが伝わってくる愛人の声に、私はほんの小さく首を横に振った。


「私、辛くないよ。私が泣き虫だからいけないの」


「ごめん」


愛人にごめんって言われるのは一体何回目だろう。


今まで会話をしてきた中で、一番多く出てきた言葉かもしれない。