「美結ちゃん、いいよ」


しばらくすると、先生から私に声がかかった。


「最近調子いいみたいだね。やっぱ精神的に落ち着くと、体調もいいのかな」


笠原先生がねぇ美結ちゃん?とでも言いたそうな顔を私に向けてくる。


「いいよ、そんなこと言わなくて。おいで、美結」


愛人が少し顔を赤くしながら、私を呼んだ。


「ここ」


私にベットの端に座るよう、ポンポンとその場所を叩く。


「うん。あのね、ちょっと待って」


ベットに座る前に、鞄をゴソゴソあさって目的の物を取り出した。


「私ね、先生にお願いがあって・・・」


「ん?なんだい?」


優しい笑顔で私に問う笠原先生に、一枚のはがきを差し出す。


「習字の展覧会?」


はがきを受け取った笠原先生は、書いてある文字を上から下まで眺めた。