でもね、ガラスの靴だけは残るでしょ?


それがあったから、王子様とシンデレラは結ばれた。


でもきっと、ガラスの靴がなくても二人は結ばれたんじゃなかなって私は思う。


だって、恋の魔法は解けないから。


お互いが思いあってる限り、それは永遠だから。


「明日も来るね」


「待ってる」


「最後にギュってして?」


「一日一回じゃないのか?」


意地悪な笑みが、愛人の顔に浮かぶ。


「そんなこと言ってないもん。ギュは、一日に何回してもいいんだよ」


「ん。おいで、美結」


ベットの上に座ると、愛人がギュって抱きしめてくれる。


「これはおまけな」


耳元で小さな声でささやかれると、私の唇に愛人の温かな唇がそっと重なった。