秘密な花嫁~旦那様は同い年~

どれくらいそうしていたんだろう。


ずっとずっと祈ってた。


神様にお願いしてた。


愛人を連れて逝かないでって、まだ私から愛人を奪わないでって。


ガラッと音を立てて愛人の病室のドアが開き、中からお医者さんと看護師さんが出てくる。


ハッと立ち上がると、美結様はここでお待ちくださいと一柳さんに言われ、そっと長椅子に戻された。


お医者さんと一柳さんが言葉をかわす。


最後に笑顔を見せたお医者さんは、ゆっくりとした足取りでナースステーションに入って行った。


「もう大丈夫のようです。今は落ち着かれて眠っていると」


私のところに戻ってきた一柳さんは、安心した表情で私にそう告げた。


「よかった・・・」


ホッと胸をなで下ろす。


「お会いになられますか?」


「えっ、でも」


会いたいけど愛人は私に会いたくないからと迷っていると、一柳さんが優しい笑顔で私に手を差し出した。