秘密な花嫁~旦那様は同い年~

手の力が抜けて、持ってた習字道具がバタンと大きな音を立てて廊下に落ちた。


愛人の病室から、一柳さんが出てくる。


病室から15メートルくらい離れたところに突っ立てる私に気がつくと、こちらに寄ってきてくれた。


「美結様」


腰を屈めて落ちた習字道具を拾ってくれる。


「マー君・・・」


「大丈夫でございます。少し発作を」


そう言って一柳さんはいつものように微笑んだけど、どう見てもその顔は真っ青で愛人が大丈夫とは言えない状態だってことを教えていた。


「うそ。一柳さん、顔真っ青だもん。何があったの?」


真剣な目をして聞くと、一柳さんは深くため息をついた。


「実は、いつもより発作が長引き危険な状態に・・・」


「えっ?」


危険な状態って、それって・・・


「美結様!」


ふらっと身体が倒れそうになったのを、慌てて一柳さんが支えてくれる。