「どうしよう、パパ。緊張してきた」


パパの運転する車の助手席に乗って、今日は大学の受験に向かう。


大学のある方に仕事があるパパが、門のところまで送ってきてくれたの。


でも大学が近づくたび緊張感が高まり、門に着いたときにはピークに達してた。


緊張のあまり制服のスカートをギュッと握る私を見て、パパが頭をなでてくれる。


「大丈夫だ、美結。一生懸命勉強したんだし、習字だって今まで以上にたくさん書いてきただろ?」


「うん」


今日の試験は、学力テストと習字の技術試験。


この日のために、今まで一生懸命勉強も習字もやってきた。


勉強で分からないことがあればママやパパに聞いたり、習字の先生に時間を見つけては書いたものを見てもらってきた。


「自信持て、美結。絶対大丈夫だから」


「うん」


カチャっと音を立てて、シートベルトを外す。


「自分の出来ることを精一杯やってくればいいから」


「うん」