秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「でも、ダメなの」


「なにがダメなの?」


頭の上からおば様の声が降ってくる。


「私がどんなにマー君のこと好きって言っても、ダメなんだよ。おば様がマー君のこと好きって言ってくれなきゃ」


黒い革張りのソファーに、ポツンと涙が落ちた。


「おば様だけじゃない。おじ様も、誠さんも。マー君は待ってるの。家族に愛される日を」


「愛される日・・・」


「助けて、おば様。愛人に生きる希望を与えて」


もう涙で声が出なかった。


ただポタポタと涙がソファーの上に落ちていく。


「お願い。家族なんだから、愛人から逃げないで」


今ならまだ間に合う。


ちゃんと愛人と向き合って、愛人に生きる希望を与えて欲しい。


家族なんだから、出来るはずだよ。


「お願い、おば様」