秘密な花嫁~旦那様は同い年~

私がマー君と呼んだことを全く気にしてない感じで、おば様は私にそう聞いてきた。


「はい」


「懐かしいわ。愛人がまだ小さいとき、マー君って呼んでたのよ」


「そうなんですか?」


「ええ。さっ、冷めないうちに食べて」


「あっ、いただきます」


今日のお昼は、サーモンと水菜の和風パスタに野菜たっぷりのコンソメスープ。


「おいしいです」


「そう。よかった」


食事をしながら他愛もない会話を繰り返す。


学校のこと、受験のこと、家族のこと。


「美結さんは、お習字の先生になりたいのね」


「はい。書いてるときは集中するから、無心になれるんです。なにも考えないでただ書く。その感覚が好きなんです」


「好きなことがあるっていいわね」


おば様は紅茶を一口すすって微笑んだ。