「こんにちは、おば様」


リビングに通されると、おば様が一人ソファーに座って雑誌を読んでいた。


「いらっしゃい。美結さん」


「今日は突然すみません」


「いいのよ。私も暇してたし」


謝った私に、おば様は笑顔を向けてくれた。


「もうすぐお昼の用意が出来るみたいよ」


「あっはい」


どこに座ろうかと視線を動かしていると、ここに座って?とおば様が自分の隣を指差した。


「なに読んでたんですか?」


「ああ、これ。いつも私が読んでる雑誌なの」


おば様が見せてくれたのは、婦人向けの雑誌。


「おば様、この俳優さん好きですか?」


ちょうど開いていたページに、今話題の若手俳優の特集が載っていた。


「ええ、実はね。恥ずかしいから、秘密よ」