「こんにちは」


「いっらしゃいませ、美結様」


チャイムを押して玄関を開ければ、顔馴染みのメイドさんが迎えてくれる。


日曜日のお昼、病院に寄った帰りに愛人の家を訪れた。


目的は、おば様とお昼を食べるため。


昨日の夜、思い切って愛人の家に電話を掛けた。


何時間も電話と睨めっこして、やっとの思いでつなげた電話。


最初に出たのは愛人の家のメイドさんで、おば様に代わって欲しいと言うと快くOKしてくれた。


おば様に明日のお昼一緒に食べませんか？と誘ったら、少し驚いたような声で大丈夫という返事をもらった。


最初にパパとママと一緒に愛人の家を訪ねたときのおば様の印象は、ふわふわしてるママと違ってなんかツンツンしてる感じがして少し怖かった。


でもほんとは、おば様寂しいんじゃないかなって思ったの。


おじ様は仕事で忙しいし、誠さんはもう母親離れをしてる。


愛人との関係は、上手くいってない。


もしかしたら、心の中で孤独を感じてるんじゃないかって。


間違ってたら、ほんとに余計なお世話なんだけど。