秘密な花嫁~旦那様は同い年~

苦しそうに荒い息を繰り返してるのに、まだその口からは出て行けと言葉が出てくる。


「やだ・・・」


お願いだから、私を拒否しないで。


バタバタと病室にお医者さんや看護師さんが入ってくる。


「治療をしますので、外に」


看護師さんに病室のドアを開けられ、私は外に出るしかなかった。


「マー君・・・」


トボトボと歩いて、近くの長椅子に座る。


「ふぇ・・・」


頬を滑り落ちた涙が、愛人に買ってもらったスカートを濡らした。


ただ好きなだけ。


愛人のことが、好きなだけ。


好きなのに、どうして一緒にいることが出来ないの?


誰でもいいから、愛人の病気治してよ。


お願いだから、誰か愛人を助けて。