秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「俺の命は、人より短かっただけ。それを無理に伸ばそうとは思わない」


「マー君・・・」


「おいで、美結」


愛人の切なく微笑む顔に引き寄せられて、もう少しだけベットに近づく。


気付いたときには、愛人の温かな手が私の頬を包み、顔がくっつきそうなくらい近くにあった。


「自分でもびっくりしてるんだ。俺にも、こんな感情があったなんて」


「マー君?」


真っ直ぐ私を見つめる瞳に、思わず吸い込まれそうになる。


「愛されることを知らない俺が、人を好きになることはないって。それに、死ぬって分かってる人間が人を好きになっちゃいけないって」


「そんなこと・・・」


「それなのに、美結は俺の心の中に入ってきた。すごく自然に」


「マー君」


「好きだよ、美結。好きだ」


ゆっくりと、好きという言葉を噛みしめるように私にささやく。


初めて貰った、愛人からの好き。