「えっ?」


まるでスローモーションを見ているようだった。


愛人が胸を苦しそうに抑えて、崩れ落ちるように地面に倒れ込む。


イッタイドウシタノ・・・


「マー君・・・?」


しゃがみ込んで愛人の様子をうかがう。


「ねえマー君!苦しいの?どうしたの?」


前にも、図書室でこんな光景を見た。


「ハァハァ・・・」


でもそのときはしゃべれてて、それなのに今は愛人の荒い息遣いしか聞こえない。


「マー君。マー君!」


怖い、誰か助けて、愛人が死んじゃう。


「いや・・・」


怖い。


「イヤァァァァー!」