なんか、心にすっぽり穴があいた感じ。


無視されるって、結構辛い。


それが好きな人だと余計に。


しばらく沙奈と話していると担任の先生が入って来て、今日の連絡が行われた。


その後、体育館で始業式。


「あっ、マー君・・・」


みんなが体育館に行くため教室を出るとき、愛人だけ逆方向に向かって行く。


その後姿に声をかけたけど、廊下中に響き渡る生徒の声で、私の小さな声はかき消されてしまった。


始業式が終わって教室に戻って来ても、愛人の姿はない。


どこに行ったんだろう。


まだ外は暑いし、また図書室かもしれない。


捜してみようか?


でも、なんて声をかけるの?


愛人が遠い。


近づいたと思った距離は、やっぱりあの日から遠くなっていた。