それなのに愛人は、私に優しくする。
私は愛人の胸元のシャツをギュッと握った。
「・・・き」
「ん?」
「好き、愛人」
思わず出てしまった言葉。
愛人が一瞬身体を固くした。
お願い、突き放して。
あの冷たい目で、私を突き放して。
そしたら、諦めるから。
もう好きって言わないから。
「美結」
聞き取れないほど小さな声で、愛人が初めて私の名前を呼んだ。
私の思いとは裏腹に、私を抱く愛人の腕に力が入る。
「ごめん、美結」
私は愛人の胸元のシャツをギュッと握った。
「・・・き」
「ん?」
「好き、愛人」
思わず出てしまった言葉。
愛人が一瞬身体を固くした。
お願い、突き放して。
あの冷たい目で、私を突き放して。
そしたら、諦めるから。
もう好きって言わないから。
「美結」
聞き取れないほど小さな声で、愛人が初めて私の名前を呼んだ。
私の思いとは裏腹に、私を抱く愛人の腕に力が入る。
「ごめん、美結」

