秘密な花嫁~旦那様は同い年~

たまに見せる笑顔。


私の涙をそっと拭いてくれる指。


なんだかんだ言って、ちゃんと私の話に耳を傾けてくれる。


優しい愛人。


どこかで、いつの間にか、私は愛人に惹かれていってるのかもしれない。


だから、だからね。


愛人のことを悪く言う人は許せないし、その言葉で心が傷つくの。


愛人のことで泣く理由は、それかもしれない。


「マー君・・・」


「呼んだ?」


「へっ?」


俯いていた顔を上げると、愛人が少し微笑みながら私を見ていた。


「兄さんとの会話は、楽しかった?」


「うん」


慌てて涙を拭いて、必死に笑顔を作る。