「あの、たまには家で食事をしてください。愛人さんと一緒に」


その目に怯みそうになりながらも、一気に言葉を続けた。


「愛人と一緒に?そんな必要ない。第一、僕がどこで食事をしようが君には関係ないでしょ?」


「そうですけど・・・」


「話が終わったなら出て行ってくれる?忙しいんだ」


「独りでご飯を食べるのは、すごく寂しいと思うんです。兄弟だし、たまには」


「僕はあいつを、弟なんて思ってない」


「えっ・・・」


誠さんの冷たい言葉に、思わず言葉を失った。


「どうして・・・?」


「あいつは昔から役立たず。この家に産まれてきた意味がわからない」


「そんな」


「一般家庭に産まれたら、きっと可愛がってもらえただろうね。でもここは、違う。有名会社なんだ。家の役に立たないなら、この家にいる意味がない」


「役に立たないなんて決めつけていいんですか?仮にも弟です。そんな風に言うなんで、許せない」


「君は僕に、説教をしに来たのかな?」