誠さんの部屋には、たくさんの参考書があった。


勉強机の上には、最新型のノートパソコン。


きれいに整った部屋だった。


「今、忙しいですか?」


「そうだね。今から大学のレポートをしようとしていたんだけど」


「ちょっとだけ、お時間ありますか?」


「少しならいいよ。座って」


そう言って誠さんは、私に椅子を差し出してきた。


誠さんと向き合う形で、椅子に座る。


「手短にお願い出来る?」


「はい。あの誠さんは、家で食事はしないんですか?」


「朝は食べるよ。昼は大学。夜はゼミの仲間と外食が多いね」


「その、夜は外で食べないといけませんか?」


「何が言いたいの?美結さん」


誠さんが私に、厳しい目を向ける。