秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「これにしよ」


とても懐かしい本を見つけて、愛人がいるベットまで戻った。


愛人から少し離れたところに座る。


部屋の中には、ページをめくるペラっという音だけが響く。


それでも、何も話さない、この空気がなんだか落ち着いた。


「お食事の用意が出来ました」


そう言ってメイドさんが部屋に顔を出したのは、本を読みだして約1時間後。


「わかった、行く」


後ろから、愛人の声が聞こえた。


「行くよ」


「あっ、うん」


愛人がベットから立ち上がる音がしたけど、返事はしたものの本に夢中になっててなかなか立てない。


「なに読み始めたの?」


「あのね、これ」


私の隣に座りなおした愛人が、読んでた本を覗いてきた。