秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「泣き止めるわけ?」


「無理、かもだけど。頑張るから」


「そう。期待してる」


自信なく言った私に、愛人はポンポンと私の頭をなでた。


「暑いから行くよ。もういいでしょ?」


「うん」


部屋に向かった愛人の後ろをついて行く。


部屋に戻ると早速、愛人は読書を始めた。


「私も、本借りていい?」


「好きなの読めば」


「ありがと」


本棚の中には、迷ってしまうほどたくさんの本が入っていた。


「マー君、ほんとに本好きなんだね」


「本は、昔から俺の友達」


そう言った愛人の顔には、少しだけ寂しさが浮かんでいた。