秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「俺は、あんたがよくわからない」


愛人の細くて白い指が、私の頬に伸びてくる。


「他人のことなのに、どうして泣ける?」


私の頬に触れた愛人の指が、そっと涙を拭きとった。


「なあ、なんで泣けるの?」


「そんなの、わかんないよ。勝手に出てくるんだもん」


「ごめん。変なこと聞いた」


力なく呟いた私に、愛人は少しだけ微笑んだ。


「マー君」


「なに?」


「私、泣き虫なんだって。よく、龍守に言われるの」


「そう」


「だからね、よく泣くんだと思う」


「ふーん」


「だからあの、私が泣いて、迷惑だったら言ってね?すぐ泣き止むから」