秘密な花嫁~旦那様は同い年~

「ほら二人とも、この話は終わりだ。部屋に戻りなさい」


「はい」


パパに言われて、私と龍守は立ち上がった。


「美結、今の話は忘れること。いいな?」


「うん」


小さくうなずいて、龍守と二人で部屋を出る。


「姉ちゃん」


「ん?」


「婚約とか、バカなこと考えない方がいいよ」


「なんでよ」


「泣き虫な姉ちゃんの相手出来る人なんて、そうそういないから」


「だから、私は泣き虫じゃない」


「そう?俺の頭の中の姉ちゃんは、常に泣いてるイメージだけど?」


パパがママだけに見せるような意地悪な笑顔を残して、龍守は自分の部屋に戻って行った。


「龍守のバカ。私そんなに泣かないもん」