外から、図書室がある方向を見た。


愛人はまだ、図書室に居るのかな?


「美結~置いてくよ」


「あっうん」


慌てて沙奈を追いかけた。


全部の競技が終わり、教室に戻る。


「マー君、帰ったんだ」


愛人の席からは、鞄が消えていた。


おかしいな、私。


愛人のことばっかり、考えてる。


なんでこんなに、胸が締め付けられるんだろ?


愛人の表情一つで、胸がキューってなったり。


嬉しくなったりする。


明日、大丈夫だったか聞こう。


その日は結局、愛人の苦しそうな表情が頭から消えることはなかった。