「あーあ。負けちゃった」


「ごめん、沙奈。私がミスしたから」


「美結のせいじゃないって。私も結構ミスしたし」


そう言って、沙奈は笑った。


結局この試合は、私たちとその後のペアが負けて、勝つことが出来なかった。


なんか、愛人のことが気になって試合に集中出来なかった。


いつもは絶対しないミスしちゃうし。


「ねーあと残ってるの、サッカーだけだって」


「そっか」


私のクラスで負けてないのは、男子のサッカーだけだった。


「美結、さっきから元気ないけど大丈夫?」


沙奈が心配そうに、私を覗いてきた。


「うん、大丈夫。暑いからちょっとテンション低いだけ」


「ならいいけど」


沙奈が、にこって笑った。