秘密な花嫁~旦那様は同い年~

思わず声が出そうになって、慌てて口元を押さえた。


そーっと愛人に近づいて、愛人の前の席に座る。


愛人は、少し日差しが当ってクーラーの風がちょうどいい、一番気持ちのいい席に座っていた。


「マー君」


そっと声をかける。


愛人は本からちらっと顔を上げると、すぐに本に顔を戻した。


むっ無視?


「ねぇ。マー君」


もう一度声をかける。


「マー君ってば」


「うっせえ。ここ図書室なんだけど」


何度か声をかけると、愛人はやっと私を見た。


「球技大会、見に行かない?」


「行かない」


即答された。