秘密な花嫁~旦那様は同い年~

ママが同意を求めるように、パパを見た。


そんなママにパパは少しだけ笑うと、ポンポンとママの頭をなでた。


「ああ。美結は、婚約なんかしない」


その言葉に、ママがホッとしたのがわかる。


「俺もその方がいいと思う」


「龍守!」


声がした方を見ると、弟の龍守が立っていた。


龍守は今、中学2年。


パパによく似ていて、学校でもモテるらしい。


「姉ちゃんは女なんだから、会社のことなんて考えなくていいんじゃないの?」


そう言って、私の隣に座ってきた。


「会社は俺が継ぐし、俺がもっと立派にしてみせる」


「うわっ、自信満々」


「自信がなくちゃ人の上には立てないよな、父さん」


「そうだな」