「美結、今日は早く寝ないとダメよ」


「はーい」


ママは私にそう言って、忙しそうにリビングを出て行った。


期末テストが終わり、1学期も終わりに近付いていた。


明日と明後日は、球技大会。


リビングで雑誌を読んでるときに、ママに声をかけられた。


「明日は球技大会か。美結は何に出るんだ?」


ソファーに座って食後の紅茶を飲んでたパパに、そう聞かれた。


パパの周りからは、紅茶のいい匂い。


「あのね、テニス」


「テニスか。懐かしいな」


パパが少し微笑んだ。


「美和、おいで。仕事終わったんだろ?」


「うん。でも、これ置いて来ないと」


「いいから。おいで」